少子高齢化による労働力不足を、高齢者の労働力でまかなおうという方針になって、ずいぶん経ちました。
一般的にも、定年退職後に嘱託社員として再雇用するのが、普通になってきています。
この嘱託雇用における賃金の低下に関して、先日、最高裁の判決が出ました。

これまで、定年後に嘱託で再雇用されると、正社員ではないため、給与額が大幅に下がることが通常でした。
それに対し、定年前と同じ業務をしているのに給与額が大幅に下がったのは違法であるとして、訴訟になったのです。

確かに最近よく言われる「同一労働同一賃金」を考えると、違法性が強いように感じます。
しかし、最高裁が下した判決は、一部容認でした。
つまり、雇用形態が正社員から嘱託に変わったのであるから、基本給の賃金テーブルや賞与支給の有無などの賃金形態の違いについては、違法性がないと判断したのです。

しかし、会社が支給する種々の手当に関しては、会社に是正を求めています。
今回の会社では、無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当が支給されていました。
このうち、住宅手当以外については、正社員と嘱託社員で差をつけることに違法性があると判断したのです。
これら手当については、どのような意味で支給する手当で、誰に支給すべきものかを明確にすべきという考え方から出たもののようです。
例えば、その月の労働日を休まずに出勤した場合に支給する皆勤手当を、正社員に支給するが嘱託社員には支給しない、とするのは、合理的な理由がないと考えられます。

今回の判決により、これから会社が支給する手当に関しても、その支給の有無に合理的な理由を求められることになるでしょう。
一度、賃金規程を見直してみてはいかがでしょうか?