個人事業で少しずつ収入が増えてくると、ご主人の扶養から外れることも検討しなければなりません。この「扶養」ですが、所得税の基準と社会保険の基準は異なります。そのため、検討したくてもとても複雑になりがちです。
 まずは「扶養」の基準を整理してみましょう。所得税では所得が38万円以下ならば配偶者控除が適用され、所得38万円超123万円以下ならば配偶者特別控除が適用されます。この場合の所得とは、売上から経費や青色申告控除を引いた金額のことです。確定申告書でいう、⑨欄の所得金額の合計にあたります。
 ところが社会保険では、年収130万円未満であることが基準となります。年収ですので、基本的に売上金額を基準としています。そして、年間トータルで130万円未満であればよい訳ではなく、毎月10万8333円未満である必要があります。ですから、売上に対して経費が多い方の場合、所得税は扶養に入れるが、社会保険は入れない、といったこともあり得るわけです。

 もし、社会保険の扶養を外れた場合、自分で国民健康保険に加入する必要があります。そうなったら、保険料がどのくらいかかるのか、知っておきたいですね。国民健康保険料は、市町村がそれぞれ料率等を決めているため、同じ収入があっても住所地によって金額が変わります。
 計算方法としては、世帯の所得にかかる金額、人数にかかる金額、世帯に均等にかかる金額、固定資産にかかる金額があり、その合計が国民健康保険料となります。ただし、自治体によっては、均等にかかる金額や固定資産にかかる金額がないところもあります。また、所得にかかる金額を計算する時には、売上から経費等を引いた所得から、基礎控除として33万円を引いた金額を使って計算します。

 仮に、33万円を引いた後の所得が100万円、加入者一人(40歳以上)だとすると、神戸市では年間27万1120円、芦屋市では年間20万4640円、姫路市では年間19万6530円の保険料となります。自治体によって、かなりの開きがあることが分かりますね。ただし、保険料には上限がありますので、高所得になれば保険料は頭打ちになります。計算してみると、神戸市では所得が約800万円、芦屋市では約890万円、姫路市では約860万円で、保険料が上限に達することになります。
 また、扶養から外れた場合に負担するのは、国民健康保険料だけではありません。国民年金もご自身で負担することになります。国民年金の保険料は定額で、今年は年間19万6920円となっています。
 社会保険の扶養を外れた場合に、負担すべき金額がどのくらいなのか、お住いの自治体で確認してみてくださいね。